マルウェアによる攻撃で重要システムに暗号をかけられてしまうという被害が報告されています。ネット犯罪は年々巧妙化していますが、特に悪意を持った組織的なサイバー攻撃のターゲットになることも増えており、日本企業も例外ではありません。そんな日本企業が運営する工場セキュリティに対する関心が高まりつつあります。経済産業省もガイドライン案を検討しており、生産設備やサプライチェーンをもつ法人が対策を加速させています。
対策の中でも重要視されているのが、ランサムウェアやマルウェア対策です。コロナによるリモートワークの導入により、マルウェアリスクが拡大、さらに法人リソースやシステムを暗号化して使えなくするランサムウェアリスクが拡大しています。工場セキュリティでは、このようなリスクへの予防対策と同時に侵入された場合の復旧対策を構築する2段構えの対策をとる法人も増えてきました。工場におけるセキュリティ対策では、リスクの高いところを優先に導入を進められており、特に制御システム系が重視されています。
また部品や資材や原料などを供給するサプライチェーンでも同様の対策が求められます。本社工場のセキュリティが万全であっても、サプライチェーンの何処かがランサムウェアの支配下に置かれてしまうと生産活動が数日から1週間ほど停滞してしまうからです。国際情勢が激変しており、サイバー攻撃に備えた対策を求められます。悪意あるサイバー攻撃への備えが、安定した生産体制に欠かせません。